お米の保存について
- 美味しく食べるにはどのように保存したらいいですか?
- 一般に精米の保存に適する環境は温度10℃以下、湿度70%以下ぐらいといわれます。常温で保存する場合、乾燥を防ぐため直射日光があたらない涼しい場所がよいでしょう。その場合でもお米は臭気を吸着しますので洗剤などの近くにおかないほうがいいでしょう。またカビ発生の原因になりますのでお米が直接水濡れしないように気をつけましょう冷蔵庫に保存するのも良い方法です。この場合乾燥や他の食材の臭気を吸い込まないように予め密閉容器に入れておくとよいでしょう。
- 美味しく食べられる期間ってどのくらいなんですか?
- 一般に精米を美味しく食べる目安は購入後常温で約1ケ月程度、冷蔵庫などの低温場所で約3ケ月程度といわれます。それ以上保存してもカビ等の損傷がなく黄ばんだ程度であれば食べられますが食味が低下することがあります。食べられる分量に合せたご購入をお勧めいたします。
- 精米を長く保存するとなぜ食味が低下するのですか?
- お米にはでん粉やタンパク質を分解するアミラーゼやプロテアーゼといった酵素が含まれます。保存が長くなるとこれらの酵素の働きが鈍り、でん粉やタンパク質が分解されなくなりご飯のうまみがでなくなります、また細胞組織が固くなってご飯の食感が悪くなったり、脂肪分解によって生まれる脂肪酸が酸化して臭い(古米臭)が出やすくなります。
お米の炊き方について
- お米の洗い方ってどうするのですか?
- お釜にお米を入れ真水でお釜の底からかき上げ混ぜ合わせるように洗います。1回目に洗った真水はすぐ流し落とします。これを2~3回軽く洗うようにして注入した真水が濁らなくなれば、最後にお米重量の約1.4倍の真水にお米を浸せば完了です。 炊飯器の場合は設定メモリに合わした量の真水をはるだけで終了です。
- よくお米を研ぐといわれますが?
- お米を研ぐ・洗うといった作業は、炊上がったごはんが黄ばんだり、糠臭くなって食味を落としたり、腐敗をしやすくすることを防ぐために行う行為です。以前は水につけたお米を手のひらに力をこめて研いでいましが、最近では精米技術の発展により糠切れのよい精米仕上げが出来るようになりました。お陰で研がなくても水中で軽く洗う程度で炊けるようになりました。 洗ったお米はご飯の中心となるでん粉の層がむき出しの状態になりますので過度の圧力をかけて米粒を摩擦すると、お米のでん粉が水中に溶けていつまでも水が濁ったり、 でん粉表層にあるといわれる甘み層まで失うことにもなります。
- 洗ったお米はザルに上げて水切りするってほんとうですか?
- ザルあげの理由は、洗ったお米についている水気を切り水加減を調整するものですが、最近の家庭用炊飯器は性能もよくザル上げせずとも軽く水切りしただけで、お釜の設定水にあわせて炊くことができます。むしろザルあげして長時間の水切りすることで、水分が蒸発しお米の表面にひびが入って、ごはんの形状が壊れたり、ふっくらと炊き上がらないこともあります。
- 炊くときの適度なお米の分量は?
- お釜の容量に対してどのくらいの分量ということになります。お米はでん粉が加熱によりアルファー化(糊化)することでやわらかいご飯にかわります。 お釜の容量が大きくお米の分量が極端に少ないと熱の伝導が良過ぎて水が早く蒸発してしまい充分に糊化せずふっくらしたご飯ができなくなります、反対にお釜の容量めいっぱいにして炊いても熱の対流が不十分となって糊化の促進を妨げる原因となります。お釜の容量の8割程度が良いとされます。
- 玄米食ってどうなんですか?
- 普段食卓で食べている白米は玄米の周りの糠層と胚芽を取り除いたでん粉の部分(胚乳)をいいます。じつは胚芽や糠層の部分にビタミン、ミネラル、食物繊維といった高い栄養価が含んでいます。しかし玄米の表皮が固く水分の吸収率が低いため炊上がっても白米と比べて固いとか、ボソボソ感があって食感が悪かったり、食後の消化も劣るなどのデメリットもあります。ごはんの触感を楽しむのかそれとも栄養分を摂取するのかの選択だと思います玄米食で必要なことはよく噛んで体内で消化しやすくすることでしょう。ちなみに玄米食も白米食もカロリー摂取量は同じだそうです
- 玄米の炊き方ってむずかしいの?
- 玄米表皮が固いので洗米はじめによく研ぎ合わせて玄米表面に傷をつけると玄米は水分を吸収し易くなります。籾の段階での乾燥仕上げにもよりますが玄米にしたときの水分含有率は普通15%程度で、お米(玄米も白米も)は水につかるとすぐ水分を吸収しようとします。最初に洗った水はすぐ流しおとしその後2-3回程度洗うとよいといわれます。
玄米を好みの柔らかさに炊き上げるには、いかに玄米中心部まで熱が効率よく回りでん粉質が全体的に糊化させるかにあります。炊き方の器具も一般に炊飯器、土鍋、圧力鍋などさまざま選択肢はあります。炊飯器には玄米モード機能が付いたものもありますが、無いものでは柔らかく炊くことがむずかしくその分浸漬時間を長時間(朝炊き上げるには一晩中浸漬)する必要があります。 土鍋の場合は土鍋内の熱交流率が高いので炊飯器より炊上がりはよいといわれますが、火加減の調節が難しく経験にたよるところが多くなります。圧力釜の場合は調圧弁の効果で釜内部の熱交換効率がよく炊飯器や土鍋より柔らかく仕上がるといわれていますが、それでも火加減の調節に神経をつかわなければならず経験にたよるところがあります。玄米の炊き方について諸説さまざまあり専門ページもありますので炊き上げ工程や仕上げ工程ついては専門ページを閲覧されることをお勧めします。
- 玄米と白米をいっしょに炊いてもいいの?
- いいえ、お勧めできません。玄米と白米のやわらかく炊ける時間が違うため白米が炊けても玄米が固いままになってしまいます。玄米からの栄養摂取を考慮して混ぜ炊きするのであれは事前処理された発芽玄米と混ぜ炊きすることをお勧めいたします。
ごはんについて
- 冷蔵庫に保存すると長持ちしますか?
- いいえ、冷蔵庫での保存はお勧めできません。お米が炊かれるとき、生米の固いでん粉質(ベータでん粉質)が水と熱によって柔らかく糊状に変質します、これをアルファー化(糊化)といいます。炊きたてのごはんは100%糊化してふっくら柔らかく食感のいいものです。でもそのまま放置すると固くなり食味も落ちてきます。これをでん粉の老化といいます。 一番老化しやすい温度帯は4~5℃とされ、まさに冷蔵庫内の温度帯と同じです。むしろ炊きたてのごはんは冷凍庫で保存することをお勧めします。
- ごはんを美味しく食べられる目安時間はどのくらいですか?
- ごはんは炊きあがり後から老化現象をおこします。ふつう炊飯器で保温することが多いと思いますが、炊飯器の蓋の開閉の際の空気中の雑菌やカビなどを考慮すると10時間以内が限度でしょう。炊きあがり直後のごはんを冷凍保存すると1週間以内であれは電子レンジで加熱して美味しさを取りもどくことができます。
精米製品について
- 精米の袋に小さな穴があいているのは何故ですか?
- 空気抜けのためです。 袋詰めされた精米は搬送から店舗に陳列されるまで積み重ねられますが、そのとき米袋の自重で下にある米袋が破裂するのを防ぐために空気抜きをします。最近ではラミネート加工された丈夫な素材を使って穴の開けない米袋もあります。また無洗米に使う米袋は表面ではなく米袋のシール部に空気が逆流しない構造の穴が開いてます。